第83回日本矯正歯科学会学術大会参加報告|しばた歯科矯正クリニック|大井町の矯正歯科

第83回日本矯正歯科学会学術大会参加報告
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2024年10月30-31日 パシフィコ横浜において

今回のテーマ「矯正歯科治療における形態と機能の調和を目指して」

今大会参加の目的:
院長
1:シンポジウム1「形態と機能」について
2:臨床セミナー「歯科矯正用アンカー」の聴講
3:歯科矯正材料のMRI検査に及ぼす影響について
4:商社展示の器材/材料及び出版社の医療出版物のチェック

スタッフ
1:スタッフ&ドクターセミナー1「コミュニケーション力」
2:スタッフ&ドクターセミナー2「口腔筋機能療法(MFT)」

今大会の発表等を総じて:
院長:
1:あまり目新しい報告/発表等はなかった。
2:歯科矯正用アンカーについてもそれほど新しい報告/発表等はなかった。
3:MRIについては、金属類を除去できるものは除去するとの発表であったが、実際に撤去できない、金属クラウン/インレー等によるハレーションの程度についての報告はなく、装置の除去における効果の差について知見が欲しかった。
4:今回の臨床セミナーの中でカリフォルニア大学のMoon先生の講演では、インプラントを併用した急速拡大装置に加え前方牽引をした症例が提示されていた。縫合部に力をかけることで成長を促進/活性化することができるという報告であった。成人にも可能だが限定的で、縫合の未熟な若い世代の反応が良いらしい。しかしながら、下顎骨の成長終末が確定していない状況でそこまで上顎骨を拡大前方牽引していいものか悩みどころである。
5:インビザライン等の透明なマウスピースタイプの矯正治療が増え、巷で矯正治療の教育を受けていない方々による治療トラブルが増えつつある。リカバーの方法等の発表も多く見られた。

スタッフ:
患者さんとのコミュニケーションについて
・個々の患者さんに合わせてコミュニケーションを行うことが大切
年齢/性格/生活スタイル等に合わせた指導を行う。
モチベーションの低い患者さんに対して、動機づけ面接(MI)を適応していく。
共感/協働など本人のモチベーションが上がるような指導を行う。
指示/指導等を押し付ける方法ではなく深層心理に働きかけるような心理学的手法を用いる。

MFT(筋機能療法)
・個々の患者さんに合わせてMFTを行うことが大切。
・前記の心理的手法を応用して行う。
癖は、親子間/子供同士の間にも見られるため。親の癖も把握し、親子で指導を行う。
また、兄弟間を含め比較をされることでモチベーションが低下することがあるので、1対1で練習をすることを指導する。

感想:
若年層の矯正治療前後の癖の除去を目的としたMFTと、成人の顎変形症の様に、顎位の急変に合わせて「普通に噛む」ということを指導するためのMFTとは指導内容がだいぶ異なると思うのだが、それについての言及は今ところ見当たらない。